即戦力不足

 人材不足は製造業の現場や小売りや外食の店員などにも広がるが、深刻なのが情報処理や介護、医療、金融関連の専門職種。情報処理技術者、薬剤師などの職種別求人倍率(パート含む)は3から5倍もの高倍率が続く。
 認知症の高齢者が共同生活をするグループホームのある運営会社は、介護職員数に対して入居希望者数が想定を上回り、一部入居を遅らせた。
 高まる一方の企業の採用意欲だが、「他社が採るからという横並び意識も見える」。即戦力を期待して獲得を急ぐと適性や能力に欠く人材も交ざり、現場が混乱するリスクも広がる。
 バブル崩壊後、人的投資を怠ってきたつけは簡単には取り戻せない。採るべき人選の厳選、新規人材を当て込んだ事業計画の見直し、自社人材の再育成。地道な取組こそが人材確保の近道かもしれない。

日本経済新聞の9/25日号は、産業界に広がる人手不足の現状を伝えている。