職務経歴書の書き方

 職務経歴書の書き方は決まっているわけではありませんが、基本スタイルがあります。「編年式」、「キャリア式」それと、これらを合わせた「複合式」です。名前や連絡先などの個人情報と希望職種は、どの様式でも共通に書きます。要約は、省略することもありますが、今は書くのが主流です。
 編年式はこれまでの職務経歴を会社や所属の違いで区切り、年代順に書く様式で、広く一般に採用されています。
 この様式は、時間の経過に沿って記入するので自然で書きやすいだけでなく、過去の足跡からキャリアの進歩の過程がわかるのが特徴です。ところが、経歴を年代順に並べるので、複数の職歴を経験している場合は、特定の職務能力を重点的にアピールするには適しません。
 そこで、現在の職務能力を強調するために逆年代で書くことも行われます。これは、求人側がもっとも知りたい最近の職務能力を知るには都合がよいのですが、反面、過去のキャリアが軽視されるおそれがあります。
 キャリア式は職務能力を項目ごとにまとめて記述する様式です。たとえば、事務職ならば「総務」「経理」「企画」などのように分けてです。総務分野一筋であれば、「人事」「労務」「庶務」、工場の技術者であれば「生産技術」「工程管理」「品質管理」のようにです。 この様式は、専門的な職務能力を効果的に主張することができます。ところが、編年式と違って、どのような進歩の過程を職業人として歩んできたかの経緯が伝わらない欠点があります。
 複合式は、職務経歴を経歴と職務内容に分けて別々の項目で扱います。経歴はこれまで歩んできた過程を一般的に逆年代で書きますが、特に最近の職務を強調する必要がなければ年代順の方が自然です。職務内容はキャリア式で書きます。
高浜 宏「中高年のための再就職ガイド」より